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今回は、愛用者の多いスターバックスが成功した理由をご紹介したいと思います。

世界65か国に2万1,000店舗以上を展開する、世界1のコーヒーチェーン。
皆さんの中でも、1度も飲んだことがない人はいないのではないでしょうか?

スターバックスが、銀座に第1号店をオープンしたのは1996年に「日本進出プロジェクト」の総責任者を務めていた、スターバックスの日本におけるパートナー企業「ザザビー」(現・サザビーリーグ)で取締役経営企画室長だった梅本龍夫氏がスタバが成功した理由をお話されています。

日本には、70年代に増えた「純喫茶」があり、個人店主が丁寧に淹れた美味しいコーヒーが飲めました。
それに対して米国の「カフェ」は、コーヒーを楽しむ場所ではなく、ダイナーなど「食事なども合わせて楽しむ場所」でした。
スターバックスが出来たのは70年代ですが、当時のスターバックスは、まだコーヒー豆の卸売業をしているだけの会社でした。

日本人の間で「アメリカンコーヒーは薄くてまずい!」という先入観もあり、日本の市場に割って入るのは「やめておいた方が…」という声もありました。
でも、95年頃にとりあえず銀座、渋谷、新宿など色んな場所で老若男女問わず市場調査をしたところ、特に若い女性達にヒットしたのだそうです。
バブルの消費を経験して、美味しいものや本物に目覚めた池田さんのような女性達が「スターバックスって素敵!」と感じたのでしょう。
梅本氏はこの時、「これはビジネスになる!」と直感したそうです。

当時「サザビー」が大ブレイクさせた「アニエスベー」や「アフタヌーンティー」、「キハチ」など、渋谷を中心とした文化・街づくりが成功し、【ライフスタイル】というものが重視され始めた時代だった為、シアトル系カフェが流行る素地があったのも1つあるかもしれません。

また、日本に進出した20年前は、男性の喫煙率が60%もあり、コーヒー喫茶の需要は男性中心なので、男性が「タバコが吸えないから嫌だ」と入店しないと商売になりませんでした。
仕事中も喫煙は当たり前で、吸わない人にとっては我慢するのが当然の時代だったのです。
信じられませんよね!

米スターバックスのハワード・シュルツがこだわっていたのは、【店舗に入った瞬間にスターバックス体験が始まる】ということでした。
「スターバックス体験」とは、色んなものの相乗効果のことだそうです。
そこで1996年にオープンした銀座の1号店は、1階は禁煙、2階は喫煙としたのこと…。

お店に入った瞬間にコーヒーの豆を挽くいい香りがしますが、それがタバコの香りで台無しになる。
そこで、苦肉の策で分煙にしたそうなのですが、当時はきちんとした空調設備がなかったので、喫煙可の2階に人が溢れて、煙が下にたなびいてきていたそうです。
シュルツはそれを見て、開店初日から怒りました。
結果的に、2階の分煙スペースをどんどん狭くして、それでも売り上げが落ちるわけではないことを確認し、最終的に3号店から全面禁煙にしたのだそうです。

このようにスターバックスは、コーヒーの「まずい!」という概念を覆したり、バブル崩壊後に【リーズナブルで手が届く贅沢】というライフスタイルを提供したり、全面禁煙を取り入れたり、常に時代に先行していたからこそ成功したのではないかと思いました。

どのお店にも企業にも、必ず成功した理由やきっかけがあるはずです。
普段何気なく足を運んでいる場所にも、次回から少し視点を変えて訪れてみると、何か面白い発見が出来るかもしれません!

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