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さて、今日は、最近私がおどろいた医学のニュースを紹介したいと思います。

全身の筋肉が萎縮する難病に苦しむ30歳のロシア人男性が、
世界初となる頭部の移植手術を計画していることを皆さんご存知ですか?

男性の名前はワレリー・スピリドノフ氏と言います。
遺伝性の難病ウェルドニッヒ=ホフマン病を患っています。
筋力が低下して筋萎縮が進み、自分の骨格を支えることが出来なくなる病気です。

スピリドノフ氏は、

「手術が怖くないかと聞かれればもちろん怖いです。
でもこれはただの恐ろしい手術ではなく、とても興味深い手術でもあると思います」

と語っています。

手術ではスピリドノフ氏の頭部を体から切り離し、脳死状態にあるドナーの健康な体に接合します。
危険で倫理的な問題をはらむ手術だが、スピリドノフ氏は彼の病状は絶望的であり、
イタリア人の神経外科医セルジオ・カナベーロ博士に手術を依頼したいと述べています。

彼らは2年間に渡りスカイプで打ち合わせを行ってきました。
施術は2016年を予定しており、150名体制で36時間ほどかかるため、本来かかる費用は日本円にしておよそ11億円ととても高額です。

カナベーロ博士の計画では、なるべく脊髄にダメージを与えないような方法で頭部を体から切り離した後、
脳死状態のドナーの体に移植するそうです。
そして、主要な神経と動脈を接合し終えたら、細胞膜内の脂肪の結合を促す効果があるポリエチレン・グリコールを脊髄に注射するのだそうです。

その後、患者は数週間にわたって人為的に昏睡状態に置かれ、脊髄に電気刺激を与えて頭部と体の神経がつながるよう促します。
カナベーロ博士によれば、患者は以前と同様の声で話せるようになり、理学療法を受けて1年以内に歩くことも出来るようになるとも言います。

スピリドノフ氏は、

「頭部を移植する手術は、始めて宇宙遊泳をすることに似ています。
この技術は、将来私より症状が重い患者たちを救うことになるでしょう」

と伝えていますが、一方で、この頭部移植は成功の見込みがないと批判する医師達も多くいます。
人間以外であれば、過去にも頭部移植の事例はありますが、拒否反応も強く数週間ほどで命を落としてしまっています。

アメリカ脳外科学会次期会長のハント・バチェール博士は、

「私は誰にもこの頭部手術をしようとは思わないし、自分にもして欲しくはありません。
死ぬよりもひどい結果になるでしょう」

と話しています。

一方で、スピリドノフ氏さんの意思は固く、

「わたしには他にほとんど選択肢がないということを分かって下さい。
私の病状は年々悪くなっていて、
この手術に賭けなければ悲しい結果が待っています」

「家族は全面的にサポートしてくれています。
みんなどれだけ危険かをわかってるけど、
それでもぼくの決断を尊重してくれています」

と最後まで希望を持っています。

このニュースを初めて読んだ時、本当に凄い時代になったと感じました。
よく江戸時代のドラマなどを観ていたりすると、
若い人でも少し体調を崩しただけで亡くなってしまったりしていますが、現代、頭部が移植出来るようになる(かもしれない)まで医学が進歩するなんて、本当に革命的だと感動しました!

手術は人間では世界で初めての試みとのことですが、僅かな望みも捨てず、手術が無事成功し、現代の医学が未来に向けてまた新しい一歩を踏み出すことを願っています。

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