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雨が降っていると、どうしたって家にこもりがちになってしまいますよね…
そんな時頼りになるのが、DVDプレーヤーやらステレオやらエアコンやらの家電用品ではないでしょうか?

そんな今日は!皆さんお馴染みヨドバシカメラの、 「我が道を行く」経営戦略をご紹介したいと思います!

この度、家電量販大手5社の業績が出揃いました。
年間売上高比較でのベスト5とそれぞれの対前年比増減は下記になります。

1位:ヤマダ電機、1兆6643億円(12.1%減)
2位:ビックカメラ、8120億円(15年8月期予想、2.1%減)
3位:エディオン、6912億円(9.8%減)
4位:ヨドバシカメラ、6515億円(5.7%減)
   ※非上場のため、6月24日付日経MJの推定値より
5位:ケーズホールディングス(HD)、6371億円(9.1%減)

意外にヨドバシは4位…(´・ω・`)
ところが、上位5社を経常利益額で並べ直すと、順位が大きく動きます。

1位:ヨドバシカメラ、511億円(3.8%減)、7.8%
2位:ヤマダ電機、355億円(29.2%減)、2.1%
3位:ケーズHD、258億円(17.9%減)、4.0%
4位:ビックカメラ、205億円(14.6%減)、2.5%
5位:エディオン、111億円(25.3%減)、1.6%

ヨドバシで、売上高を5.7%減らしたのに、経常利益は3.8%しか減らしていません。
つまり売り上げ減のダメージを吸収しているのです。
しかも、他4社と比べて対売上高経常利益率の7.8%は際立って高く、前期の7.7%よりも改善しています。

優れた経営実績には、必ず裏打ちされた優れた経営戦略があります。
ヨドバシの「我が道を行く」経営戦略の真骨頂はどこにあるのでしょうか?

■「我が道を行く」経営戦略
まず大きな要因として、非上場の同族企業である点が挙げられます。
藤沢昭和・現社長が1960年に創業し、当初は「街のカメラ屋さん」でした。
他の大手家電 量販店とは異なり、業態が大きくなってもいたずらに多店舗展開に走らず、大都市の駅近立地にこだわり、店舗数は今でも21にとどまっています。
ヤマダが店舗数1000を超え、縮小に動き始めたのと対照的です。

いたずらに店舗数を増やさないということは、社 員の数を急激に増やさないということにもなります。
ヨドバシの店員の在社平均年齢は確実に上がってきていますが、それは、それぞれの店員が商品知識や接客技術を蓄積 していけるということにもなります。
実際ヨドバシは、JCSI(日本版顧客満足度指数)で5年連続家電量販店の分野で1位となっています。

■「ヨドバシ.com」
今、ヨドバシが注目を集めているのが、IT化です。
店頭のすべての商品にバーコードが付いており、スマホなどで読み取ると画面に当該商品の競合価格や在庫状況などが示されます。これは初耳でした!
また、インターネット通販サイト「ヨドバシ.com」では、店ごとの在庫状況から取り寄せに必要な時間まで掲出され、アマゾンとは違う「リコメンド機能」も工夫されているそうです。

ポイント制による還元も手厚く、現金で買えば店頭価格の10%が還元されますが、クレジット機能が付いた「GOLD POINT CARD+」をつくると11%になります。
現金買いより優位となるので、顧客の囲い込みには極めて有力な制度を構築しました。

また、当日6時間以内配送を、日本の人口60%を超える地域までカバーしています。
アマゾンより速いなんてすごいですよね!

■ショールーミングをあえて取り込む
小売業界で忌避されている「ショールーミング」とは、顧客が店頭で商品を検討し、購入自体は楽天やアマゾンなどの通販サイトで行うことですが、ヨドバシの場合は、顧客の購入をヨドバシ.comに誘導する仕組みを構築しました。

ヨドバシのネット通 販での売り上げは、14年3月期に650億円に達したとされ、国内年商 2000億円といわれるアマゾンの売り上げを追い抜くと期待されています。
ヨドバシ.comでカバーしている商品数は300万点を超え、「家電」 という枠をとっくに外れているのです。

これらのヨドバシの独自の経営戦略のように、いかに競合と差をつけ、独自の施策を行っていくのかが、今後のテーマの一つになるかもしれません。

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