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突然ですが、目の不自由な人たちが絵画を楽しむには、どうすればいいでしょう?

今、フィンランドのデザイナーが考案した、*“触れることのできる”*絵画が注目を集めています。
3Dプリンターによる技術革新で、世界の名作を体感する人々が増えそうです。
http://www.unseenart.org/

*■『モナ・リザ』に触れた感想。え~、これが本当にクラシック・ビューティー?*

「本当にいい形をしているわね。思っていたよりも、ずっと鼻が長いし。
特徴的で…これが、謎めいた微笑みって言われるゆえんなのね。
それにしても、みんなが言うほどクラシカルな美女には思えないけど(笑)」

これは、目の不自由な女性が生まれて初めて名画『モナ・リザ』を“鑑賞”した瞬間のコメントです。
古典絵画を実際に手で触れることで、彼女は絵画を “観る”のではなく体感することができました。

*■「目に見えないアート」を3Dプリンターで再現*

視覚障害を抱える人たちへの、芸術体験の一助として3Dプリンターを使った、
“触れることのできる”作品を提供する、
ヘルシンキ在住のデザイナーMarc Dillon氏。
彼のプロジェクト「目に見えないアート(Unseen Art)」は、
触れて感じることができるように、世界の名画をダウンロードし、
3Dプリンターで再現するというもの。書作権切れの古典絵画を中心に、
形はあれど目に見えない作品を手がけています。

3Dプリンターがそんなことにも使えるなんて、
もう実現出来ないことなんて何もない気がしますね。

*■名画に触れることで“鑑賞”できる*

「目の不自由な人々にとって、これまで絵画展は退屈な場所だったかもしれません。
実際手にして感じることができる作品がなかった訳だから。この技術はまさに革命的。
彼らがより美術館へ足を運ぶ、きっかけになるかもしれません」

フィンランド盲人協会の文化ディレクターEija Liisa氏のこの言葉にあるように、
視覚に障害を抱えていても、
同じように絵画を楽しむための画期的なツールになり得るのではないでしょうか。

古典絵画の作者や技法に精通していても、
実物を目にすることができない人が、世界には数多くいるとDillon氏は強調します。
彼らにとって作品に触れることで、初めてその作品を体験したことになります。
その時初めて、自分の意見や感想を口にできるのはず。
画期的な彼のアイデアをさらに実現していくため、
現在クラウドファインディングで資金調達中とのことです。

*■図書館や大学で名画を自由にダウンロード*

将来的には、大学や図書館にこの3Dプリンターを設置し、
目の不自由な人たちが自由にダウンロードして
印刷できる技術にしたいと、志を高く持つDilllon氏。
ローカルビジネスからグローバルを。それが最終的なゴールなのだそうです。

凄い時代になりました。これから先の世界の未来がまだまだ楽しみですね(*^^*)!

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